バックパックで、旅するような日常を

バックパックで、旅するような日常を

バックパックといえば、「バックパッカー」という、自由を求める旅と人生のスタイルを象徴してきたアイテム。
けれども、今やビジネスバッグまでもがバックパックの利点を取り入れて進化を遂げ、このジャンルに保守的なイメージを抱いてきた若者を含む世の男性諸氏の心を新たに惹きつけています。
本稿では、ビジネスシーンすらも変えつつある、バックパックの魅力を、様々なタイプの代表作も紹介しながら、少しでもお伝えできればと思っています。

 

1.バックパック、その永遠の使命

バックパックとは「背中に担ぐ荷袋」を意味する英語で、リュックサックも同じ意味のドイツ語です。
昔から日本では日常的に使うものがリュックサック、登山用のものはザックと呼ばれていましたが、「バックパッカー」という旅のスタイルが知られるようになった80年代ぐらいからか、長期の貧乏旅行者の象徴的アイテムとしてバックパックという呼び方が定着していったと思われます。
バックパッカーとは、一言で表せば、自由を求める旅の形で、その方法や道程の全てを自ら決め、低予算で明日をも知れぬ移動生活を実行する、旅人の生き方そのものを意味する場合もあります。
ヒッピーという、古い因習や価値観からの解放を求めた人々を起源とする、一種反社会的なスタイルは、かつてしばしば「浮浪者、家なしのような」生き方として批判されてきました。

しかし現代ではどうでしょうか。
生き方は多様化したと言われ、バックパッカーが批判されるという話もあまり聞きません。
一方で、世界の全ての人が自由な生き方を実現できているかといえば、そう断言できる人はおそらくどこにもいないでしょう。
自由とは今でも一人一人が追究し、自ら勝ち取るものであり、そうである限りバックパックは全ての人が背に担ぎ、バックパッカーとなるための希望の象徴であり続ける使命がある、といえるかも知れません。

2.バックパック、その容量と旅人の哲学

私はTOUGHというブランドの、いわゆるミリタリースタイルの30ℓほどのバックパックを長年愛用しています。
実のところ、日常の外出でも、かなり長期の旅行でも変わらず使用しているので、これが普段使いでも、まさにバックパッカー的な旅の相棒としても、違和感なく活躍できるサイズなのだと思います。

筆者撮影

 

30ℓ台のリュックサックでも、詰め込む物によっては相当の重さになります。
一般的に、男性だとだいたい15キロ前後、女性だと10キロ前後が普通に背負って出歩ける重さと言われているので、30ℓでも決して長期旅行用には不足、という事はありません。
けれども、下着だけでなく上着のスペアやカメラ・パソコンなどの機器や付属品、野営や自炊などを想定する場合はコッヘルやガスランタンと、まさに生活用品の全てを持ち運ぶのがバックパッカーという人種ならば、その道具としてのバックパックが30ℓでは確かにコンパクト過ぎるかも知れません。
本来は登山用に開発されたといえる、50~60ℓ級で特に注目したいのが、グラナイトギアのバックパックです。

 

出典:Amazon

グラナイトギアは、独自の技術開発によって堅牢さと軽さ、長時間背負える快適さを実現しています。

 

近年はミニマリズムといって、生活全般において自らの価値観で考えられる限り最小限を目指すという生き方が提案されています。
バックパッキングという、必要最小限の荷物をいかに効率よく合理的にまとめ携帯するかというバックパッカーの宿命的テーマに通じるものがありますが、30ℓ級というサイズは愛用する道具や衣類にギリギリこだわりながらも、現地調達と断捨離をバランスよく続けるにはふさわしいバックパックといえます。

出典:Amazon

アッソブ・コーデュラドビーは都会的な男の雰囲気を演出する中容量バックパック。
A4サイズのファイルが余裕で収納できるポケット、パソコン用のクッション材入り収納など、ビジネス面での強さも感じさせる逸品です。

私の愛用するTOUGHはランキングにはなかなか登ってこない、謎の多いブランドなのですが、やはりランキング上ではあまり見かけないながら、注目したいブランドが、こちら。

出典:楽天市場

バッグジャックはドイツのベルリン発。
防水性の高さなどにドイツらしい堅実な技術力を感じるとともに、その独特の渋いデザインも評価が高く、バックパッカーのイメージも大きく揺るがしかねない魅力があります。

3.バックパック、その進化と可能性

昨今、自転車通勤のビジネスパーソンも増えてスーツ姿のメンズがバッグを「背負う」シーンもすっかり定着した感がありますね。
ショルダーバッグの状態では大きすぎ、重すぎると感じる物でも、バックパックの状態で背負えば、驚くほどに軽快になります。
デザインも、決してビジネスシーンに限ることなく、普段使いでも違和感のないものが出てきています。
ビジネスバッグならば使うほどに味わいの増す本革製を目指したいところですが、ここではアウトドアシーンでも、もしかするとバックパッカーも愛用できる、3Wayビジネスバッグを紹介しておきましょう。

出典:楽天市場

アルファ・インダストリーズは、アメリカの軍用ジャケットなどを多く手がけてきた、ミリタリーブランド。
単なるミリタリー好きじゃないか、と思われてしまうかも知れませんが、長年軍の厳しい検査基準を通過してきたクオリティーの高さと、男心をくすぐらずにおかない洗練されたカッコよさは否定しようがありません。

 

4.さいごに

昔から現在に至るまで、人間の冒険への挑戦と、自由を求める勇気のために作られてきたバックパック。
その精神はビジネスシーンにまで影響を与え、日常から人々の生き方を知らず知らずのうち変革していくのかも知れません。
あなたも是非、新たなバックパックで日常さえも冒険に変えてみて下さい!