オートバイ・自転車乗りならずとも注目!多彩なライダースバッグの世界

オートバイ・自転車乗りならずとも注目!多彩なライダースバッグの世界

一般的に、鞄専門店の店頭に並ぶメンズ向けのバッグというと、ビジネスバッグやカジュアルなショルダーバッグ、リュックサックが思い浮かび、種類としてはそれほどバリエーションがないように思えます。
しかしバッグというアイテムは服や靴以上に使用者の目的に合った専門性が求められる度合いが強く、例えば釣り具店にはフィッシングバッグという名で特化された商品が売られているし、カメラ量販店には写真機材用のバッグがずらりと並んでいます。
バッグとは使う人の仕事や趣味、生き方を象徴する存在といっても過言ではないでしょう。
今回は、そんな専門性の強いバッグの中でもファッション性が高くオシャレなアイテムとしても進化してきたライダースバッグと、そのフィールドであるオートバイや自転車を取り巻く状況の変化、そしてライダースバッグを含む今後の展望について見ていきたいと思います。

1.ライダースバッグとは

現在、ライダースバッグというとオートバイの乗り手のための道具という範疇に止まらず、所謂ライダースジャケットの肌合いを持ったファッションアイテムを差す場合も多いようです。ここではあくまでライダーのために作られたバッグに焦点を絞っていきます。
ライダースバッグには様々な種類がありますが、ライダーが身につける物とオートバイに装着する物に大きく分けられます。
前者から装着部分別に挙げてみましょう。

①走行中、肩や腰に巻きつけて使用する小型のボディバッグ

出典:leather house

写真は、レザーハウス。
近年、若者だけでなくビジネスシーンでも人気のワンショルダータイプ
身体にピッタリ固定される安心感は、まさにライダーにピッタリのアイテムといえます。

②走行中、腰と太腿に固定して使う小型のホルスターバッグ

出典:doppelganger

写真は、ドッペルギャンガー。
ウエストバッグよりもスタイリッシュでやはり脚に固定される安心感がある事で人気の、新しいタイプのコンパクトなバッグです。

③走行中、オートバイの燃料タンクの上に装着して使用する小型のタンクバッグ

出典:Amazon

同じくドッペルギャンガー製。
長距離移動を行うライダーに便利。
地図やスマホを差し込み、走行中に確認もできます。

④走行中、オートバイのリアキャリアに乗せて使用する大容量のバッグ

出典:DOD

上の写真はDODのクーラーバッグで、移動先まで冷えたビールや新鮮な食材を運べる優れものです。
このように、リアキャリアに載せるバッグには特に限定されたモデルはなく、大き目のボストンバッグやバックパックでも充分ライダースバッグとなり得ます。

⑤走行中、オートバイのリアキャリア左右にぶら下げて使用する、サイドバッグ(自転車にはパニアバッグも)

出典:Amazon

写真はイージーライダーズ。
特に自転車による旅行でイメージされるのがこのサイドバッグ。
自転車では重量のある荷物をリアに載せるのが危険なため、前輪後輪の左右4箇所に振り分けバランスを取る、という工夫が為されてきました。

⑥オートバイではなく、自転車の三角フレーム内に収めて使用する2Wayライダーズバッグ

出典:週刊アスキー

近年、昔ながらの日本一周型の自転車旅行こそ減少するものの、自転車の多様な発展とともに愛好者もむしろ増加しており、バッグもまたデザイン・機能含め進化を続けています

 

2.盗難対策として

ライダースバッグ、特にオートバイに装着するタイプの特殊性は、大荷物であるためにライダーがオートバイを降りて荷物もろとも放置して離れる場合が多い事です。
日本は治安のいい国ですが、基本的に鍵がつけられるタイプは施錠し、そうでなければリアのバッグは外して持ち歩きできる形の方が望ましいでしょう。
しかしサイドバッグなどは持ち歩きするようなタイプではないので、テントや寝袋、コッヘルや着替えなどはオートバイに置き、カメラやパソコン、ランタンやナイフなどの貴重品はボディバッグに入れ、常に携帯すればより安心です。

3.ライダーを取り巻く現在と、ライダースバッグ

釣りやカメラの世界が一昔前と変わらず、今も多くの愛好者がいて衰退が見られないのに対して、ライダースバッグのフィールドであるオートバイを取り巻く状況は20、30年前と比べると激変しました。
自転車や、オートバイによる長期に渡る長距離旅行は70年代から90年代にかけて若者たちの間で盛んに行われ、特に現在でも旅人たちの終着地点・折り返し地点でもある北海道や沖縄では無料または安価なキャンプ場や宿泊施設の伝統が残っています。
現在では若年人口の減少や法規制の強化などでオートバイの売り上げが80年代ピーク時の1割にまで落ち込み、バイク業界の衰退が叫ばれていますが、逆に現在50代前後の「かつて乗っていた世代」が再びオートバイに乗り始めるリターンライダーの増加や、SNSなどにオートバイ走行時の風景を撮影し投稿する若者たちの登場によって数としては減少しながらも新たな支持層を獲得しつつある『第3次バイクブーム』が到来している、という声もあります。
年配のリターンライダーたちが今、オートバイに求めるのは安全性と快適性。
そしてクーラーバッグにも象徴される利便性です。
一方、若者たちやビジネスパーソンが、ファッションとしてのライダースバッグに魅かれるのは、その長いオートバイと旅のブームの中で培われた非日常性が今もアイテムの中で息づいていて、それが現代人の忘れかけた野生に訴えかけているからではないでしょうか。
あなたも是非、まずは小さなボディバッグを手に、新たな時代のライダーの世界を覗いてみて下さい!