時代はB5サイズ?コンパクトバッグブームがきている

時代はB5サイズ?コンパクトバッグブームがきている

ビジネスバッグと言えばA4サイズが入るものが長らく主流でしたが、ビジネスマンが扱う必須アイテムも変化しつつあることから、バッグ自体もコンパクトで軽量なものが選ばれるようになり始めました。

その証拠に、各人気メーカーがここ数年で発売したビジネスバッグの中には、B5サイズのものやマチが5cm程度のものなど、軽量・スリム・コンパクトを意識したものが多くあります。

なぜこんなにもビジネスバッグはコンパクトになってしまったのか。その謎に迫りたいと思います。

■ビジネスマンの必需品はコンパクト傾向

平成が終わり、新たな自体の幕開けを前に、なんとなく浮足立った雰囲気の世の中ですが、一昔前の昭和のビジネスマンはどのような仕事の仕方をしていたのでしょうか。

現代のようにパソコンやスマートフォン、インターネットなどもちろんなく、メインの仕事道具と言えば、電話と紙でした。

持ち歩く鞄もトートバッグやリュックなど、現代のようにバリエーションはなく、錠前の付いた革製のビジネスバッグやダレスバッグが基本でした。どちらも丈夫で高級感はありますが、重いということが難点だったようです。

それから平成に入るとナイロン製のバッグもビジネスバッグとして使われるようになり、ノートパソコンを持ち歩くようになった2000年代後半からは、A4サイズ~A3サイズの軽量なバッグが好まれるようになりました。

しかし、今やそんな時代も終わりを迎えようとしていると言うのです。

その背景に、タブレット端末やスマートフォンでも仕事ができるようになったことが挙げられます。

その結果、ビジネスマンがバッグに入れておくものは、タブレット端末を基本とし、wifiルーター、ACアダプタ、ACケーブル、書類作成が必要な場合は小型のキーボード、といった具合に、タブレットの周辺機器がメインとなりつつあります。

また、従来は客先で紙の資料を配布することが多かったのですが、最近では、客先にあるモニタに、持参したパソコンやタブレットの画面を投影し、資料を共有するという方法が主流になりつつあります。環境省が推進するペーパーレス化への取り組みも後押しして、ますます紙が不要とされる時代になりました。

そうした背景からも、コンパクトなビジネスバッグが広く販売されるようになったのです。

Karolina GrabowskaによるPixabayからの画像

■コンパクトなビジネスバッグのメリット

最小限のビジネスアイテムのみを持ち運ぶことを目的として作られたコンパクトなビジネスバッグには、どのような特徴があるのでしょうか。

まず、従来のビジネスバッグと比較して言えることは、圧倒的に軽いということ。サイズが小さくなっているので、バッグに使用する生地や革の面積が少なくなりました。

これまで主流だったA4サイズのビジネスバッグは、バッグのみの重量で1kgを超えることが多かったのですが、コンパクトなビジネスバッグは800g前後が主流のようです。

これは長時間外出する営業マンにとっては嬉しい変化ですね。

次に着目したいのが、持ちやすいということです。ビジネスバッグと言えば、短いハンドルを手で握るしか持ち方はなく、肩こりの原因となったり、人混みの中では不便だったりしました。

しかし、コンパクトでスリムなビジネスバッグであれば、クラッチバッグのように脇に抱えて持つことができます。予めクラッチバッグとして持つことも想定し、ハンドルを中に収納できる2Wayバッグまで販売されています。

また、そのサイズ感であれば、ショルダーストラップを使っても邪魔にならず、電車や人混みでも動きやすいのではないでしょうか。

■コンパクトなビジネスバッグは素材で遊べ

各メーカーごとに様々な魅力の詰まったコンパクトなビジネスバッグですが、共通して言えることは、デザイン性が高いということです。

コンパクトであるからこそ、本革を全体に使用した豪華なバッグもありますが、より軽量化することを目指して、ナイロンやキャンバスといった素材を本革と組み合わせる、MIXスタイルのビジネスバッグが目立ちます。

異素材をMIXさせたビジネスバッグは洗練された印象で、他とは違う雰囲気を醸し出すのです。

また、これまではビジネスバッグと言えば黒のイメージでしたが、キャメルやネイビーといった明るいカラーが多いのも特徴です。黒に比べて経年変化をより楽しめるので、長く愛用できるアイテムになるでしょう。

さらに、これまでは自立することに重きを置いていたビジネスバッグの風潮から少し変わり、底鋲が付いておらず、膝の上に置いて使うことを想定されたものが多いようです。床に置いて使うにはあまり適していませんが、バッグを床に置くことに抵抗があるという方にはむしろありがたい変化なのではないでしょうか。

水面下で流行になりつつあるコンパクトなビジネスバッグ。10年後にはビジネスアイテムもより一元化され、バッグ自体を持ち歩かなくても良い時代がくるのかもしれません。