究極の小型バッグから、理想のショルダーバッグへ。シンプル・ワイルドライフの相棒を探して

究極の小型バッグから、理想のショルダーバッグへ。シンプル・ワイルドライフの相棒を探して

昨年あたりから、ある聞き慣れない名の小さなバッグが流行し始めました。
何でも、メンズ・レディース、大人・若者問わずその利便性の高さ故「もはや手放せない」という声もあるほどだとか。

 

出典:HERZ

その名は、サコッシュ
フランス語で「袋」を意味する、元は自転車のロードレーサーが携帯補給食を持ち運ぶために使用してきた紐付きバッグです。
特に何ら目新しい所のない、シンプルの極致のようなアイテムがそれほどに今、支持されるのは何故なのでしょうか。
(写真はHERZのサコッシュ)

1.ミニマル時代の究極のバッグ

その答の鍵は、どうもスマホにあるようです。
つまり現代はスマホで買い物が可能になって、持ち物といえば家やクルマのキー、財布(というよりもはやカードケース)ぐらい。
上着やパンツのポケットに入れるのは論外でしょうか。
ボディバッグやウエストポーチも選択肢のはずですが、どうもアクティブさやスポーティな雰囲気を主張し過ぎる点がマイナスなようで、サコッシュのシンプルな存在感がさりげないファッションのアクセントとして利いてくれるところが重要らしい。
つくづく、ファッションとは思いがけない物が意外な所で化学変化を起こしてくれるものです。
今では多くの有名ブランドがデザインし発売しているサコッシュ。
それぞれのメーカーの個性や素材の良さが手頃な小型バッグに凝縮されているところにも、オトク感があるといえるかも知れません。
近年は部屋にも必要最低限の物しか置かず、できるだけ物を持たずシンプルに生きる、というミニマリズムという価値観が浸透してきています。
サコッシュはそんな社会の変化に見事に対応したアイテムとも言える訳ですね。

バッグブランドとしては、もちろん昔も今も今後も、魅力的なバッグを作り続けて消費者の購買意欲を燃やし続けなければなりません。
もちろん今はサコッシュが魅力的なバッグであり、大流行で売れている訳ですから矛盾はしないのですが、ミニマルが物欲へのアンチテーゼでもある事を考えるとメーカーとしては複雑かも知れません(とはいえサコッシュのユーザーが通常のバッグを全く持たないなんてはずはありませんが)。

2.サコッシュからショルダーバッグへ

ところでこのサコッシュ、よく見ると紛れもなくカテゴリー的にはショルダーバッグではないか、と思われます。
かつて身体にフィットするコンパクトなバッグであるボディバッグに、日常のメインバッグとしての人気を奪われた感のあったショルダーバッグが、基本の形は変えず返り咲いたという感じです。

個人的に、筆者はパソコンやノート、本も数冊、それにカメラなんかも持ち歩きたい方なので、サコッシュでは用が足せない可能性が高いです。
とはいえサコッシュの魅力というのは、若者よりもむしろ40代以上のメンズの方が経験として心に響くのではないか、と思うのです。
というのも、筆者の若い頃愛用したショルダーバッグはミリタリー系でゴテゴテと装飾が付き、厚みがあって何でもかんでも詰め込んであって重かった。
これに懲りたのか、今求めるバッグの条件は以下のようなものです。

①A4サイズの図書類、パソコンが入る事
②基本形は薄く、型崩れせず、それでいて自立できるくらいの厚みはある事
③ポケットは多めだが、外見上がゴテゴテしておらず、スッキリした見た目である事
④汚れても拭き取りやすい素材である事

基本形は薄く、というのはやはり収納している物が少ない時にはできるだけ存在感を消して、持ち主が手ぶらのような感覚になれる事。
それでいて主張しないながらもコーディネート上の良いアクセントであってくれる事を希望するというところ。
そういう意味でも、サコッシュが支持される要素は決して流行という一過性のものではなく、大人がこれからもバッグに求めていく普遍的なものである可能性があります。

とはいえ、サコッシュというアイテムは定着して、流行そのものは落ち着くでしょう。
むしろ、若者たちの場合はサコッシュを通じて、サコッシュを基準にその収納力を補うように、しかもその長所やセンスを理想としながら、次の段階であるバッグへの足掛かりとするのではないでしょうか。

3.理想のショルダーバッグを求めて

あらためて、ショルダーバッグの魅力とは何かと考えてみます。
筆者の場合、バックパックを背負って旅をしていた期間が長く、旅から日常に戻った時にバックパックはやはり旅の相棒であり、日常の相棒にはショルダーバッグが必要だと痛感しました。
単純に、バックパックの場合背負っている事による取り出しと入れ込みの面倒さ、背負う姿を横から見た際のバッグの膨らみ方がスマートではない、など旅の間は気にもならなかった事がマイナスに感じられてしまうのです。
とはいえ有名なアニメ映画『天空の城ラピュタ』の主題歌にある「ナイフ、ランプかばんに詰め込んで」のかばんとは、主人公が愛用する素朴なショルダーバッグの事です。
収納した物の全てがすぐ手に届く位置にあり、咄嗟の時も取り出し、また詰め込む事ができるショルダーバッグは、映画の中にもあったようにあまり準備する時間もないような急な旅や外出にも対応できる、最も汎用性の高いバッグである事は間違いないように思えます。

では、サコッシュの持つシンプルさ、収納に優れながらミニマルである美しさ、素材の良さを併せ持つショルダーバッグを探してみましょう。

出典:Amazon

PORTER(ポーター)のショルダーバッグ。
縦型ながらパソコンにも対応した収納力。
耐熱・耐水はじめとする衝撃に強い素材と、黒に統一された堅実とカジュアルが同居した雰囲気。
若者から40代以上のメンズまで幅広く支持されています。

 

出典:土屋鞄製造所

本革製でシンプルな美しさといえば、ランドセルでも有名な土屋鞄のショルダーバッグ。
まさに究極のショルダーバッグを感じさせる風格です。

出典:Yahoo!ショッピング

同じく本革製ですがよりワイルド感があり、さらなる収納力を求めるならレザージャケットで知られるHarufもなかなかの魅力です。
価格も手頃なので、本革の入門的にもいいかも知れません。

ショルダーバッグは生活のどんなシーンにも手軽に持ち込まれ活躍するバッグの中のバッグ。
故に、その機能性、収納力に加えて美しさ、シンプルさ、あるいは荒使いできるワイルドさなど、求められる事も、面白さも無限大のアイテムと言えるでしょう!