防水バッグは梅雨の時期やアウトドアの強い味方

普段、バッグを使用していて困ることと言えば水に濡れることではないでしょうか。突然の雨や、水辺で遊んでいた時についつい濡れてしまったという経験は誰しもあるはず。最悪の場合、中のものまで水浸しという事態にもなり兼ねないですよね。
そんな、バッグにとって最大の敵とも言える水ですが、防水機能を備えたバッグも多く販売されています。
本コラムでは、バッグの防水機能にフォーカスし、どのようなバッグに防水機能が装備されているのか、また、自分で防水機能を高めることはできるのか、についてご紹介したいと思います。
■防水と撥水の違い
「防水」の類似語で「撥水」という言葉を聞いたことがあるかも知れませんが、具体的に両者の違いを説明できる方は少ないのではないでしょうか。
バッグを購入する前の予備知識として、言葉の意味を確認していきましょう。
・防水とは
生地の裏まで水を通さないことを「防水」と言います。身近な防水グッズとして、レインコートや長ぐつ、テントなどが挙げられます。防水グッズは生地そのものがビニールやゴムなどでできており、水を全く通さない特徴があります。
そういったメリットの反面、空気や蒸気も通さないため、蒸れやすいというデメリットもあるため、長時間人間の肌に触れるような使用方法には向いていません。
アウトドア用品には防水の生地が多く使われています。
・撥水とは
生地(繊維)の表面がシリコンなどでコーティングされていて、水を玉状にはじく機能のことを「撥水」と言います。
防水生地と違い、繊維をコーティングしているだけなので、空気や蒸気を通し、蒸れにくいというメリットがあります。
しかし、霧状の水滴や、長時間雨にさらされていた場合には、中まで水が浸透してしまうこともあります。
また、スキーウェアなどで経験のある方もいらっしゃるかもしれませんが、撥水機能はクリーニングに出してしまうと、低下する傾向にあります。それを予防するために撥水加工を提供しているクリーニング店もあるくらいです。
以上のことからも、撥水機能は防水機能よりは水に弱いと言えるでしょう。

■防水機能に優れたバッグたち
基本的に防水・撥水バッグというと生地自体に水を通しにくい加工がされていることが多いのですが、最近では完全防水を目指した商品が多く販売されており、生地以外のバッグの構造などで防水機能を高めているバッグも多くあります。
一部をご紹介していきたいと思います。
・メッセンジャーバッグ
若い世代を中心に人気のメッセンジャーバッグは、どんな天候でもすばやく配達してくれるメッセンジャーが使用する目的で作られたもの。その名残から、防水機能を備えた商品が多くあります。
生地自体の防水機能はもちろんのこと、注目すべきはフラップ部分の構造にあります。
定番のメッセンジャーバッグは、大きなフラップを面ファスナー(マジックテープ)で開閉する仕組みになっています。
フラップの有無は防水においては重要で、ないものに比べて遥かに浸水しにくいと言われています。また、面ファスナーは濡れた手でも楽に開閉できるというメリットも。
このフラップ+面ファスナーは、まさに防水の理にかなっている構造と言えるでしょう。
・ロールトップタイプのバックパック
ロールトップとは、バックパックの開口部をくるくると巻いて閉める構造のことを言います。開口部を内側に何重にも折り込んでしまうため、水が侵入しにくくなります。
また、巻く回数を増減させることで、中に入れているもののサイズに併せてバックパックのサイズも調節できるというメリットもあります。
このロールトップはアウトドア用のバックパックによく見られる構造ですが、最近ではそのデザイン性の高さから、日常で使えるバックパックにも用いられるようになりました。
・ファスナーにも防水機能
バッグの生地自体に防水加工がされていたとしても、ファスナーなどの布地から水が侵入してくるということもあります。そういったリスクを考慮し、最近ではファスナーにも撥水機能を持たせた商品が登場しています。
「止水ファスナー」とも呼ばれるこのファスナーは、表面に樹脂性のテープが装備されており、ファスナーを閉めるとこのテープが寄ってきて、完全に開口部に蓋をしてくれるという仕組みです。
開口部の隙間が少なくなることで、ファスナー部分からの浸水を防げます。

■手入れによって防水・撥水機能は高めることができる
防水機能のバッグの利便性は理解できましたが、欲しいバッグは防水機能がついていない!という方もいらっしゃるでしょう。
特に、革製品には防水機能はなく、水にはめっぽう弱いと言えます。それでは革製品の愛用者は防水機能を諦めなければならないのかというと、それは早計です。
革は防水とまではいきませんが、手入れ次第で、ある程度の撥水機能を獲得することができるのです。
そのために必要なのは防水スプレー。革表面の汚れをブラシで丁寧に落とした後に、革専用の防水スプレーを噴射します。しばらくして揮発した後に、革専用の保湿クリームで保護し、1時間ほど放置してクリームが馴染んだら完了です。
1ヶ月に1回程度、この手入れをしておくと、多少の雨や水しぶきであれば弾くことができるでしょう。
アクティブな男性にはおすすめの防水機能付きバッグ。防水と撥水の違いを正しく理解し、使用する際のイメージをしっかり持って、自分に合ったバッグを選びたいですね。

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